スリランカ滞在記1

バックパッカーとの違い

 先月約2週間程スリランカへカレーの勉強に行ってきた。
よく来るお客さんなら割と知っているとは思うけれど、20代の頃お金貯めては旅するバックパッカーだった。

 海外行くなら最低3週間は行きたい。
 10日でも短いと思ってしまうのだけれど、お店やってる個人事業主なので閉めている間の機会損失が痛い。

 今回は忘備録として貧乏旅行との違いで気づいた事をレポートしていこうと思う。

 まずは出国の時から緊張した。
 海外旅行はコロナ前が最後なので約5年ぶり。
 航空券は物質としてのいわゆる航空券が手元にないとなんだか落ち着かなかった。
 届いたメールに発券番号と個人情報が載っているが、これとパスポートで大丈夫なのか。 
 旅慣れた昔とは違うので、元旅人なんて自負は一切捨てて初海外の気持ちで臨んだ。
 大抵慣れたフリしたりするとぼったくりとかトラブルに遭ったりするのだ。

 

 初海外の時同様関空からの出発だった。
 昔と違うのは朝の早い時間から出ているシャトルバスは、旧正月の時期になると、中国やベトナムなどの
 東南アジア出身の人が一時帰国して時間通りにシャトルバスに乗れない事もあるそうだ。
 噂には聞いていたけれど、海外からの旅行者で空港はごった返していた。
 初めて行った海外はインドでもう20年も前の話になる。
 値段もしっかり覚えているのだけれど、一か月半のチケットで7万円した。当時は『Booking.com』ではなく『トラベル子ちゃん』という格安航空券の買えるサイトが有名だった。
 スリランカはインドの南下にある島国で距離的にはほぼ同じなのだけれど航空券は往復で7万5千円でよく考えたら20年前とほぼ変わってない事に驚く。

 無事関空から出国して3時間ほど上海のトランジットを経てスリランカに入った。

  

 バックパッカーやってた頃というのは入国するのが一苦労だった。
 まず入国してからarrivalのゲートを過ぎるとゲストを待つ現地のガイドやコンダクターが溢れかえっている。
 予定の決まっていなさそうな自分みたいな旅行者を見つけては、いろんな怪しい人たちが「ホテルあるか?」とか「タクシー乗らないか?」
 とかとかあれこれ声をかけられた。
 大体向こうの方から言い寄って来る人は値段を吹っかけて来るので、
 
  「基本的に全員ウソつきである」
 
 という前提で、いろんな人の話を吟味して適正価格を想像する。
 国によってはツーリストプライスみたいなものもあった気がする。
 とにかく「ビタ1文多く出す気はねぇぞ!」という気迫で交渉するのだ。
 値切ったりする交渉には時間はかかるのだが、大抵安い航空券だと空港の到着が夜の遅い時間になる。当時は旅先の初日の宿も決めて出たことない。
 土地鑑のない国で夜に移動するのはリスクでしかなく、貧乏旅行者は空港で一晩明かす。
 それまでに情報を集めると大抵の場合はシャトルバスより更に安い、パブリックバスの乗り方とかが見つかるのだった。(難易度は高い)

  ・・・今回はそんな貧乏旅行ではないので現地集合現地解散ではあるものの、到着時に日本人のコンダクターが空港まで来てくれた。
 料理教室の説明と参加費の支払いの為だったものの、スマホのSIMだったり、安いタクシー会社、街での両替でレートのいい所など教えてくれた。
 この手の情報を、今はスマホで調べられるし、昔はガイドブックなどにも載ってたりしたのだろうけれど、
 一通り肌感覚で掴めるようになるまで大体3日~5日くらいかかったように記憶しているのでありがたい。
 
 ちなみに今回はストレスをなくす為に日本でスリランカでも使えるSIMを購入した。30日使い放題で3000円弱だった。
 空港にはいろんな通信会社の窓口があり、コンダクターさんのお勧めはスリランカで大手の通信会社の『Dialog』という会社のSIMで20Gで約750円。
 ちょっと海外旅行のカンみたいなものが全く無くなっていたので今回は前もって買ったけれども現地で買う方が安いみたいだ。

 国際線の離発着するバンダラナイケ空港からまずみんな向かうであろう大都市の
 コロンボまで高速に乗って車で1時間弱かかる。
 コロンボから空港までだと5000ルピー(約2500円)かかるが空港からコロンボに向かうのは6000ルピー(約3000円)
 するそうだ。
 今回たまたまコンダクターの方が別の日本人の出発の見送りに来ていてチャーターしたタクシーが帰った所だったので、
 呼び戻してくれた。
 コロンボの宿まで6000ルピー程かかった。

 ちなみにパブリックバスならば500ルピー(250円)で行けてしまう。
 昔ならば空港から徒歩15分程かかるパブリックバスのバス停まで歩いて満員のバスに揉みくちゃにされながら、
 行先のアナウンスの無いバスの中で、親切そうなスリランカ人の袖を引っ張りバスが停まる度に

 「Colombo?Colombo?」

 と聞きまくっていたに違いない。
 
 パブリックバスだとコロンボに着いてからも宿を探すのも一苦労。
 特に今みたいにグーグルマップなんてなかったので、大都市であれば、事前にガイドブックの切れ端やコピーを前の町の宿や代理店で仕入れた。
 大抵目当ての宿が無くなっていたり、情報が古くて値段との折り合いがつかなかったりでウロウロするので宿を決めてチェックインするまでに2時間くらいかかった。
 大きなザックを背負いながらの宿探しになったので、カップルで女性の方が荷物番をしてその間に男性が宿を決めてくるのを羨んだものだった。
 
 
 今回はコンダクターの人の紹介のタクシーでとても快適に宿まで行けた。
 かつてはタクシーに乗ったとしても安心できなかった。訳のわからない旅行代理店やお土産屋をたらい回しにされたあげく、街から外れた宿に
 連れていかれたりする。
 
 運転手のスワンさんは日本語がとても上手で何と5か国語も喋れる。
 このスワンさんが今回勉強するスリランカのシェフの通訳もしてくれたのだけれど、日本語は勉強して3年くらいで日本に来た事はないらしい。
 何というか品があって、勉強熱心、「音楽を覚えるように言語も覚えるんですよ」という話が印象的だった。

 しっかりとお金払ったら中途半端に日本語が喋れる人でなくて、こうしたちゃんとした人が付くんだなー。

 宿はBooking.comで見た一泊1700円のドミトリー。


 シングルのホテルでも6000円くらいからあってそれでもよかったのだけれどあえて安宿にした。
 同部屋は同部屋は定年くらいに見える中国人の夫婦。
 もちろん昔からお金持ちの中国人の旅行者はいたが、大抵はツアーや立派なホテルに泊まっている印象で、 
 ドミトリーで一緒になったのは初めてだった。そんなにマナーが悪いとも思わなかったし、これまで行った観光地を教えてくれて、和やかに会話が出来て中国も旅行の文化が浸透している気がした。 
 あ、でも部屋に入った時に奥さんが豪快に上半身裸だった場面に遭遇した。本気で見たくなかったので、ちょっとは気ぃ遣えやと思った。

 
  長期旅行していた時に何度も話に上がるのが
 「時間はあるけどお金がない。お金はあるけど時間がない」
 みたいな話になった。
 
  改めて貧乏旅行やってた頃と比べると数千円上乗せするだけで何時間も時間の短縮ができた。
 多分バックパッカーやった事ない人には考え及ばないコスパの良さを嚙み締めながらの移動になった。

 思えば海外で普通にスマホが使えて地図アプリがある今となっては、よくあんなエネルギー使う事していたものだと思う。
 宿だったり目的地に着く道中に一人ではどうしようもならない事があって、人に聞いたりトラブルに巻き込まれたりして、そこで仲良くなったり、想定外の展開が拡がってドライブしてく感じが旅の醍醐味だったなと改めて思った。そんなものは自分の価値観でしかなく、まさかスマホ持ち歩いている若い人に「旅ってのはなぁ・・・」なんて昔話する気もない。きっと今の若い人達は若い人たちで全く別の価値観で旅していると思うので何を大事に旅しているのか機会があればそういった話も聞いてみたいものだ。

 (コレまだ1日目)

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