ウーバーイーツ再開
嗅覚は記憶と直結しているそうだ。
何かの匂いを嗅いだ時に昔の記憶を呼び覚ますらしい。個人的な体験としては
その時の気温や湿気なども一致した時にその当時の情景がボンと脳裏をよぎる事がある。
真夏に通り雨が過ぎた後の少し熱を帯びたアスファルトの匂いを嗅ぐと小学生の夏休みのプールの帰り道を思いだしたり、
急に気温が下がってそろそろコートいるかな?くらいの肌寒い季節のツンとした空気を吸うと
受験生だった頃の図書館の夕暮れの記憶がよぎったりする。
先日、お昼の休憩を終えて店に向かおうとしたときの事だった。
時刻は夕方6時前、日中のじりじりと刺すような日差しは流石にもう落ち着いていて、
いつも通りバイクでお店に向かっていた。
バイクは風がきもちいい。なのにもう夕方だというのにねっとりとまとわりつくような風は日中の
焼けたアスファルトの熱気がムンムンと残っていた。
「いやいや、デリーちゃうねんから・・・」
昼の営業のクミンの残り香のせいだろうか、ふと思い出したのはインドの首都のデリーの熱気で、いつか旅行した時は朝の7時から40℃を超えていた。
気温こそ日本の方が低いのだけれど湿気の高さと照り返して熱を帯びたアスファルトの熱気の不快感のマリアージュ。夕方6時頃に
ようやく40℃を切るインドのそれに近かった。
コリャ無理やな。
7月、8月と売上が激減している。
先週少し暑さはマシになって、お客さんの足も軽やかになった気はするが、まだまだ暑さは続く。
というか、この先毎年毎年、暑さがマシになる事なんてそもそもあるのか?
こんなクソ暑いなわざわざ足を運んでもらうのは忍びない。
ついこの間から冷凍カレーのネット販売を始めた。
常連さんがいくつか買ってはくれたが、さすがに新規のお客さんに情報が届くには
まだ時間がかかりそうだ。
よくお店に来てくれる近所の飲食店の人と話したら
「UberEatsとかはやってないんですか?」
と聞かれたのだった。
UberEats攻略戦
今はデリバリーサービス休止していたのだけれど、引っ越し前の店でコロナの影響であまりみんな外食したがらなかった時期にしばらくUberEatsをやっていた。
最初に始めた時は登録のキャンペーンか何かで数個オーダーが入ったのだけれど、しばらくするとパッタリと来なくなった。
おかしいなぁと思いながらアプリを立ち上げて自分の店の検索をかけてみたらなるほど、と納得した。
「カレー」というキーワードで検索をかけてみると自分の店が出てきたのは上から26番目だった。
上位はいずれも一度は名前の聞いた事のあるフランチャイズのお店で、出たオーダーの数、評価やコメントの数などで
検索の順位が上がっていくらしい。上から26番目のウチの店はカレー専門店にも関わらずうどん屋さんのサイドメニューよりも下で、こんな人気のない店のカレーが美味しいとは思えない。
半分諦めていたら知り合いの店のお店にそんな話をしたら「屋号変えてみたらどうですか?」というアドバイスをもらった。
当時デリバリーしているお店では『ゴーストレストラン』という形態が流行っていて、
例えば定食屋さんが餃子やチャーハンを出している店があったとする。そんな店がUberEatsを登録する時に『中華料理専門店○○』みたい屋号で登録できるのだった。プラットフォームのUberEats的にはオーダーが出れば出るだけ利益がでるので複数店舗の名前でで登録するのもOKだった。
ここで数ある店舗の中で『カレー屋 グランドセントラル』という自分の店の名前は当時全く知られていなかったので屋号を変える事自体はやぶさかではなかった。ここで一計を案じて
『キーマカレー専門店 極』
という名前で登録したのだった。
あれこれアプリを触っていてある構造に気が付いた。
基本的に検索をかける順番は
カテゴリー(カレー)→店舗名→商品といった順番に流れて行く。
パソコンのデスクトップを想像すればわかりやすいと思うのだけれど、『カレー』というフォルダの中に『店舗』というフォルダが並びその中に自分の食べたいカレーの商品を選択する。
『キーマカレー専門店』とすることでフォルダを一個繰り上げて他に店舗名が並ぶ中に「今日はキーマカレーが食べたいなー」と思っていた人をワンクリック、ワンタップ分リードして狙い撃ちにする作戦。
やってみると徐々にオーダーが入っていって、検索の順位も上がっていった。
結局休止してしまったのだけれど、一番の理由は時短が明けてお客さんが増え始めると、ウーバーのオーダーが入るのが億劫になってきた。 (お店のお客さん待たせるし、利益率悪い)
それにやってみてわかった事だが、ウーバーの売上を上げようと思うと、登録しているだけではオーダーがバンバン入ってくる訳でないので、ある程度時間的なものや考えるリソースをそっちに割かなくてはならない。
そして決定打になったのはある時ウーバーから届いた明細を見た時に消費税が勝手に取られていた。
免税業者だったので、腑に落ちずに説明を求めたが「登録の際に説明されたはずですよ」とシラを切られたのが腹たったのでやめてしまったのだった。
結論はオペレーション以外にも目に見えないコストがいろいろかかった。
・・・と知り合いのお店に話をしていると何でも検索に関しては3カ月間の間で一定のオーダー件数が入れば検索順位が上がるそうで、ゴーストレストランやってた時でも十分可能な件数だった。(以前やった時は3カ月以上続けていなかったので優遇されなかった)
他にも定価を高めに設定して『特別価格』とするとピックアップされやすかったり、いろいろ小技があるようだ。
(ちょっと姑息だな~)と思わでもなかったが、こんな酷暑期にお客さんに来てもらう事考えているよりかは道理にあっている気がした。
他にはUber内で広告を出すと売上上がるそうなのだけれど、 とりあえずはお中元の冷凍カレーを頑張って売って、そこで出た利益でUber上で広告出してみたいと思う。
なので、冷凍カレー買ってくれー。(最後に告知)